クズ男との恋愛がやめられません、ダメだとわかっているのに離れられずつらいです
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監修者の石川蓮(公認心理師)先生より
クズ男だとわかっているのに離れられない。
そう感じているとき、いちばん削られているのは判断力より体力のほうです。
眠れているか、食べられているか、まずそこだけ見てあげてください。
別れるかどうかの決心は、そのあとで十分に間に合います。
30代女性(会社員・公務員)
付き合って2年になる彼がいます。連絡は彼の気が向いたときだけで、こちらから送ると既読のまま何日も止まります。
それでも急に優しくされると、待っていた時間が全部どうでもよくなってしまう。
友達に話すと必ず止められるので、最近は彼の話を出さなくなりました。別れたほうがいいのは、自分でもわかっているんです。
ココラボ恋愛相談室からの回答
ご相談ありがとうございます。
クズ男との恋愛だとうすうす気づいていても、そこから抜けられない時期があります。周りに止められるほど、かえって言葉が届かなくなることもあります。
この記事では、なぜ関係が終わらないのかという心の仕組みと、別れを決めきらないまま自分の安全を確保する方法を整理します。
ダメだとわかっているのに離れられない自分をどう見るか

別れたほうがいい。それは、もう自分で結論を出しているかもしれません。それでも指が止まる時間が続くとき、何が起きているのかを先に見ます。
判定は終わっているのに動けない
クズ男との恋愛について調べる時点で、相手の評価はだいたい固まっています。連絡の間隔も、話し合いの避け方も、もう何度も見てきたはずです。
それでも動けないのは、判断が足りないからではありません。判断はとっくに終わっていて、動く力のほうが削られている状態です。

削られたものは、気合いでは戻りません。何が削ったのかを先に見るほうが、遠回りに見えて早いです。
周りの正論が届かなくなる理由
友人の忠告は、たいてい正しいです。それでも耳に入らなくなる時期があります。
反対されるからだけとは限りません。説明しているうちに、自分でも変だと気づいてしまう。だから話題にしなくなります。
話さなくなると、比べる相手が彼だけになります。普通の基準が、二人の中だけで作り直されていくわけです。

これは性格の弱さとは別の話です。人は、外の目が減るほど内側の基準に寄っていきます。
監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?
クズ男との恋愛が終わらないときに起きていること
気持ちの強さだけでは、この状態は説明がつきません。記憶と学習の仕組みが、思っている以上に効いています。
たまの優しさが強く残る仕組み
毎回もらえる優しさより、たまにしか来ない優しさのほうが強く残ります。行動が不規則な報酬で維持される現象は、心理学で間欠強化と呼ばれます。
ギャンブルがやめにくい理由と、同じ仕組みです。次に来るかどうか読めないほど、待つ側の集中は上がります。
間欠強化のもとでは、行動が消えにくくなります。毎回もらえる場合より、やめるまでに時間がかかります。
夜中だけ届く連絡に心が動くのも、これで説明がつきます。相手が特別だからというより、来方が不規則なのです。

冷たさの記憶のほうが薄まっていく
実際にはつらい日のほうが多くても、思い出すと半々くらいに感じられます。印象の強い出来事だけが、輪郭を保って残るからです。
冷たかった日は、細部から先に抜けていきます。残るのは、優しかった日の場面と体温のほうです。
だから良いときもあるから、という判断は偏った材料の上にあることになります。彼の実像を見誤っているというより、手元の材料が足りません。
穏やかな相手を物足りなく感じる
安定した関係では、感情の振れ幅が小さくなります。その静けさを、興味がない証拠だと読み替えてしまう人がいます。
不安と高揚が同時に来る状態が長く続くとします。すると揺れの大きさが、愛情の強さとして学習されます。揺れないことと、好きでないことは別です。

穏やかな人に反応しないのは、感度が壊れたからではありません。基準がずれているだけで、基準のほうは学び直せます。
同じ型の相手を選び直してしまう
相手が変わっても配置が同じなら、原因は個々の人よりも選び方の側にあります。
幼い頃に、機嫌の読めない相手の顔色を見て過ごしたとします。すると落ち着かない関係のほうが、馴染みのある形に感じられます。愛着の研究では、この馴染みが大人の恋愛の選び方にも残ると説明されます。

ここに気づけた人は、次の関係から変えられます。繰り返しは、性格の欠陥というより学習の結果です。
相手の言動と、自分の側に出るサイン
彼がどういう人かを決めきらなくても、確認できることはあります。相手の行動と、自分側の変化を分けて見ます。
都合のいいときだけ連絡が来る
連絡の量より、向きに注目します。彼が暇なときに届いて、こちらが困っているときには届かない。
この非対称が続くなら、関係の重心が一方に寄っています。既読のまま止まるのに、SNSのほうは動いている。返信できない状況と、返信しない選択は違います。
何日空いたかを記録で見ると、輪郭が出ます。感覚だけで数えると、待った時間は短く見積もられます。

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話し合いをいつも避けられる
不満を伝えようとすると、話がそれる。急に不機嫌になる。連絡が途切れる。形は違っても、結果は同じです。
これが続くと、こちらは切り出す前から諦めます。話し合えない関係では、こちらの限界も相手には伝わりません。
我慢は、相手の中では起きていない出来事です。あとから耐えた分を数えても、話は噛み合いません。
別れ話を切り出すのが毎回こちら側なら、形式そのものを見直す時期です。相手からは出てこないと、すでにわかっているからです。
言う前に重いと打ち消している
口に出す前に、これは重いと自分で判定していないでしょうか。検閲した分は、相手には一つも届いていません。
この癖がつくと、要求を出さない関係ができあがります。相手に都合がいいうえ、自分の限界も見えなくなります。
直近の一週間で、飲み込んだ言葉がいくつあったか。数えるだけでも、現在地が少し見えます。

友人にこの関係の話をしなくなる
話す相手が減ると、比べる基準も減ります。孤立は結果というより、関係が続くための条件になります。
予定を空けて連絡を待つ時間が増えると、生活のほうが痩せます。空けた時間は、来なければそのまま消えるだけです。
関係の外側に、まだ足場が残っているか。ここは相手を評価しなくても確かめられます。
監修者の石川蓮(公認心理師)先生に相談してみませんか?
気持ちと切り離して先に確かめる安全のこと
好きかどうかとは別に、先に確かめておきたい項目があります。ここだけは、感情の話にしないでおきます。
暴力とお金と妊娠は別枠で見る
好きな気持ちは、そのまま持っていて構いません。ただし次の3つは、気持ちと切り離して確認します。
- 物を壊す、大声で威圧する、体に触れるといった暴力があるか
- 貸したお金が戻らない、生活費を求められる状態が続いているか
- 妊娠の可能性に対して、相手が具体的に動くかどうか
暴力は、殴られたかどうかだけで測るものとは限りません。物や声で威圧する形も、同じ枠に入ります。
一つでも当てはまるなら、判断の順番が変わります。関係をどうするかより先に、身の安全と生活の確保です。

相手を変えなくても引ける線
彼を変えようとすると、たいてい消耗だけが残ります。一方で、自分の側だけで決められることは残っています。
お金は貸さない。返事のない夜は待たない。深夜の呼び出しには応じない。どれも相手の同意なしで実行できます。
線を引くことと、別れを決めることは別です。決めきれない時期にも、生活を守る手は打てます。
一人で抱えないための窓口
暴力や強い支配が絡む場合は、身近な人だけで抱えないほうが安全です。内閣府のDV相談プラスは、電話とメール、チャットで相談を受け付けています。
恋人同士でも対象になります。結婚していないから使えない、という決まりもありません。
急を要するときは、警察相談専用電話の#9110もあります。どこへ相談すべきか迷う段階でも使えます。

離れたあとに来る空白と、回復までの見通し
離れる話をする前に、離れたあとに来るものを知っておくほうが安全です。ここが抜けたまま動くと、戻る確率が上がります。
別れた直後に消耗しやすい理由
別れてしばらく、集中が続かず仕事でミスが増える人がいます。眠れない、食べられない、酒の量が増えるという日も続きます。
これは未練の深さを測る指標ではありません。不規則な刺激が急に止まったあとに起きる、よくある反応です。

つらさの大きさで、判断の正しさを測らないこと。良い選択のあとにも、この時期は来ます。
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空白を埋める手段を先に用意する
好きだから離れられないのか、空白が怖いから離れられないのか。この二つは別物です。
後者なら、相手を替えても同じ配置が戻ってきます。先に埋める手段を増やしておくほうが現実的です。
夜の時間に予定を1つ入れる。連絡を待つための端末を寝室から出す。待機以外の使い道を作ることが先になります。

専門家に相談したほうがよい状態
眠れない、食べられない状態が2週間以上続くとき。仕事や学業に支障が出ているとき。自分を傷つけたい気持ちが出てきたとき。
この段階は、気持ちの整理より体の回復が先です。心療内科や精神科、公認心理師のいる相談機関も選択肢に入れてください。
恋愛の悩みで受診していいのか迷う人もいます。受診の理由は、症状の重さで決めていいものです。
相談は、別れを決めた人だけのものでもありません。迷っている段階で話すほうが、手元の材料は増えます。
彼をどう評価するかは、今日決めなくて構いません。決めないでいる時間のあいだにも、自分の側でできることは残っています。